2008 - 2016
デザイナー
久保嘉男がUNDECORATED MANで担ったのは、yoshiokuboを主軸に置きながら、2008年秋冬にメンズウェアのみで立ち上げた副線を、自らのデザイン判断でかたちにした初代デザイナー役である。ブランド名を分けたことで、本線とは異なる文脈が与えられ、メインブランドで培った経験を土台にしつつ、別の切り口を試せる場が生まれた。久保はその出発点で、どんな距離感で服を見せるのか、どんな切り口でラインを成立させるのかという入口から関与し、コレクションの方向づけとブランド像の整理を一手に担った。単に派生的なラインを増やしたのではなく、ひとつの独立したブランドとして成り立つ輪郭を与えた点に、この関係の核心がある。さらに、yoshiokuboという本線とUNDECORATED MANという副線を併走させることで、久保自身の発想を二つのレイヤーに分け、片方で得た知見をもう片方へ持ち込む循環も作り出した。2016年秋冬からは河野貴之が後任となり、2018年にはUNDECORATEDへ改名されるが、その継承が機能したのは、久保の在任期にブランドの骨格が先に固められていたからである。久保の役割は、始動の責任者であると同時に、後の再編集に耐える土台を残した設計者でもあった。
在任期
2008年秋冬にUNDECORATED MANを立ち上げ、2016年秋冬からは河野貴之への交代に入るまで在任した。yoshiokuboを運営しながらの並行期に、メンズ専業の副線として始まり、後任への移行を見据えた継承の流れへつながった時期。
影響
久保の時期に、UNDECORATED MANは主軸ブランドとは別の表現軸を持つラインとして立ち上がり、のちの継承と改名を受け止められる基礎を得た。2016年の交代後もブランドの連続性が保たれ、2018年のUNDECORATEDへの改名へつながる土台を残した点に、久保期の影響がある。