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鈴木 大器

スズキ ダイキ

Daiki Suzuki

ニューヨークを拠点とする日本人ファッションデザイナー、NEPENTHES AMERICA INC.代表、ENGINEERED GARMENTSデザイナー

鈴木 大器について

青森県弘前市出身、1962年生まれの日本人ファッションデザイナー。ニューヨークを拠点にNEPENTHES AMERICA INC.を率い、〈ENGINEERED GARMENTS〉のデザインを手がける。渋谷のセレクトショップREDWOODで清水慶三と出会い、Nepenthesの買い付けに加わった経験を出発点に、1994年にサンフランシスコ、1998年にニューヨークへ活動拠点を移した。1999年に始動した〈ENGINEERED GARMENTS〉では、アメリカのワークウェア、ミリタリー、ハンティング、アウトドアの服を資料として読み込み、既存のディテールや構造を解体しながら、現代の都市生活に適したプロポーションと機能へ再構成している。服の見た目だけでなく、パターン、縫製、着用による経年変化まで設計に取り込む姿勢が特徴で、過度な装飾に頼らず、実用性の中に独自の輪郭を生み出してきた。バイヤーとして培った目利きと、アメリカでの現地経験を背景に、ブランドやショップの世界観を編集する感覚にも長ける。〈Woolrich Woolen Mills〉ではアーカイブとアメリカーナを現代的なコレクションへ翻訳し、2009年にCFDAのBest New Menswear Designer in Americaを受賞。古典を保存するのではなく、構造と用途を更新し続ける服づくりで、現代メンズウェアにおけるヘリテージ再解釈の潮流を牽引してきた人物

キャリアタイムライン

鈴木 大器とブランドとの関わりを年単位で横に並べています。

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ENGINEERED GARMENTS デザイナー 1999 - 現在
Woolrich クリエイティブ・ディレクター 2006 - 2010
Woolrich Woolen Mills クリエイティブ・ディレクター 2006 - 2011

経歴

渋谷のセレクトショップREDWOODで清水慶三と出会い、Nepenthesの買い付けに加わったことがキャリアの起点となった。1970年代から日本でWoolrich製品やアメリカのヴィンテージ、ワークウェアに触れ、既存の服を見立て直す視点を培ったのち、1994年にサンフランシスコへ移住。1998年にはニューヨークでNEPENTHES NYの立ち上げに関わり、現地のアーカイブや流通、文化に根ざした活動を本格化させた。1999年に〈ENGINEERED GARMENTS〉を始動し、ワーク、ミリタリー、ハンティング、アウトドアの要素を、パターンとディテールの再設計によって現代的なメンズウェアへ変換。完成された様式をそのまま引用するのではなく、用途や構造を組み替えることで新しい定番を生み出す手法を確立した。2000年代後半には〈Woolrich Woolen Mills〉の立ち上げとデザインを担い、Woolrichのアーカイブやアメリカン・アウトドアの文脈を、よりモダンでファッション性の高いコレクションへ再編集。2010年から2011年にかけて同ラインのデザインをMark McNairyへ引き継いだ。2009年にはCFDAのBest New Menswear Designer in Americaを受賞。その後もニューヨークを拠点に、〈ENGINEERED GARMENTS〉を軸とした服づくりや他ブランドとの協業を続け、古典的なアメリカンスタイルを現代の都市服として更新している

Woolrich Woolen Millsとの関わり

2006 - 2011
クリエイティブ・ディレクター
2006年にWoolrich Woolen Millsのクリエイティブ・ディレクターに就任し、アメリカン・アウトドアの歴史を現代のメンズウェアへ翻訳する役割を担った。自身のブランドENGINEERED GARMENTSで培った、ワークウェアやミリタリー、テーラリングを横断する設計感覚をもとに、Woolrichのアーカイブからハンティングジャケット、マウンテンパーカ、シャツジャケット、レイルロードベストなどを抽出し、当時の用途やディテールを保ちながら現代的なフィットと構成へ再編集。過去の製品をそのまま復刻するのではなく、パターンやシルエットに調整を加え、ブランド固有のウールやアメリカの製造背景を生かした高級メンズラインとしてWoolrich Woolen Millsの方向性を形づくった。赤と黒のハンティングプレイドを基調とする時期を経て、2010年秋冬には黒とネイビーを中心とした「Hunting Noir」へ展開し、素朴なアウトドアウェアにミニマルで端正な表情を加えるなど、同じアーカイブを異なる角度から再解釈。2006年からの在任は、Woolrichの旧来の機能服を単なるヘリテージ商品ではなく、素材、機能、プロポーションを備えた現代的なコレクションとして提示した時期にあたり、2011年春のコレクションを区切りに後任のMark McNairyへ引き継がれた。交代期には両者が共同で「Four Hands parka」を制作し、アーカイブを基盤に次のデザイン体制へ移行する橋渡しも担った。

在任期

2006年に就任し、5年契約の満了に伴って2011年春のコレクションを最後に退任。Woolrich Woolen Millsが高級メンズラインとして立ち上がった初期から、ブランドのアーカイブ、素材、アメリカン・アウトドアの製造背景を現代的な服へ落とし込む時期を主導した。2010年の秋冬では従来のハンティングウェアの印象を黒とネイビーの洗練された構成へ転換し、最終期には後任のMark McNairyと共同で引き継ぎの象徴となるパーカを制作。

影響

Woolrich Woolen Millsに、アーカイブの忠実な再現ではなく、現代の用途や着用感に合わせて再設計する方法論を定着させた。ハンティングジャケットやマウンテンパーカなどの旧来の機能服は、素材の質感や実用的なディテールを残しながら、端正なフィットと都市的なプロポーションを備えたコレクションへ変換され、Woolrichのアメリカン・アウトドアを現代のメンズウェアとして捉え直す基盤となった。在任末期の「Four Hands parka」は、その方向性を保ちながら後任へ接続する移行の成果。

Woolrichとの関わり

2006 - 2010
クリエイティブ・ディレクター
ウールリッチのクリエイティブ・ディレクターとして、2006年ごろから2010年までブランドのデザイン方針を率いた人物。長年のヘリテージを背負う老舗に対し、鈴木は過去の記号をそのまま並べるのではなく、アーカイブにあるワークウェアやハンティングウェアの構造をほどき直し、都市でも着やすいかたちへ翻訳した。Woolrich Woolen Millsでは、バッファローチェックや厚手のウール、実用性の高いポケット配置、補強や切り替えといった機能的ディテールを、過度に装飾せずに再構成し、ブランドの骨格を保ちながら印象を更新した。そこでは、古い山仕事の服に見える方向ではなく、無骨さを残したまま洗練を強める方向が選ばれ、結果としてrustic woodsmanよりもIvy prepに近い軽さと都会性が加わった。アメリカーナの語法を失わずに、ファッションとしての現在性を与えたことで、Woolrichを再評価させる起点になった時期といえる。ブランドの古い印象をやわらげつつ、素材感や実用性に物語を与える役目も果たし、後年の再編集や協業の見え方にもつながった。

在任期

在任期は2006年ごろから2010年までで、2011年春コレクションを境にMark McNairyへバトンが渡った。起用当初からブランドの古い印象を更新する役回りを担い、退任時には、ヘリテージを現代服として成立させた区切りとして受け止められた。就任から交代までの流れは、Woolrichがアーカイブ重視のブランドへ再編されていく移行期と重なる。

影響

ブランドに残るワークウェア、ハンティング、バッファローチェックの記憶を、都市生活に合う表現へつなぎ直した点が大きい。無骨さを残しつつ、素材や仕立ての精度で見せる方向へ寄せたことで、Woolrichは老舗の定番から再解釈されるヘリテージへ近づいた。後のコラボレーションやアーカイブ再読の土台にもなった。

ENGINEERED GARMENTSとの関わり

1999 - 現在
デザイナー
鈴木大器は、1999年にニューヨークで立ち上がったENGINEERED GARMENTSの創業者兼デザイナーとして、ブランドの企画と造形の核を担ってきた人物。ネペンテスでバイヤーとして培った視点を持ち込み、アメリカンとブリティッシュのワークウェア、ミリタリー、ユニフォーム、テーラリングの要素を、そのまま懐古するのではなく、用途や構造を組み替えて再編集した。ポケットの位置、左右非対称の処理、開閉の仕組み、素材の切り替え、縫製の見え方といった細部に意味を与え、見た目は静かでも近くで見るほど設計の複雑さが立ち上がる服へと落とし込んだ。ENGINEERED GARMENTSが掲げる、完璧さから少し外れた「engineered」の感覚や、着る経験で個性が増していくという思想も、鈴木の編集感覚と地続きにある。ブランドのコラボレーションでも、この構築的な手つきは一貫しており、相手の定番や象徴的な意匠にEGらしい解釈を重ねながら、新しさと実用性の両方を保つ見え方を作ってきた。2025年秋冬からはデザインとディレクションが後任へ移るが、鈴木が築いた構築的な美学はENGINEERED GARMENTSの基礎として残っている。

在任期

1999年にニューヨークで創業し、ネペンテスでの買い付け経験を反映させながらENGINEERED GARMENTSを形づくった。長くブランドの中核を担い、2025年秋冬からはデザインとディレクションが宮本健太と小田木邦匡へ移る流れとなった。創業期から移行期まで、鈴木の視点がブランドの基準を支えてきた。

影響

ENGINEERED GARMENTSに、アメリカンとブリティッシュのワークウェア感覚を軸にした独自の輪郭を与えた。装飾を足すのではなく、構造の組み替えや素材の対比で定番を更新する手つきによって、実用性とクラフト感を両立させるブランド像が定着した。見た目の控えめさの奥に設計の妙を残す作風は、ブランドの核として受け継がれている。

在任中のコラボレーション

この人物が関わった期間に確認できるブランド間コラボレーションです。

2026.05

ENGINEERED GARMENTS Converse

Engineered Garmentsとのコラボ(2026年5月)。Weapon Lowを歴史的ディテールの視点で再解釈し、ConverseのWeaponをロートップとして組み直したユーティリティ志向の一足。

2024.08

ENGINEERED GARMENTS BEAMS

BEAMS PLUS別注ネーム“PEG”の復活第一弾としてVertifield Shirtをリリース。2024年8月発売。

2022.05

ENGINEERED GARMENTS SUICOKE

2022年KAW-CAB、2025年Ring MocでEGオリジナル生地や防水機能、SHERPA生地など高機能素材を融合したコラボ。

2019.08

ENGINEERED GARMENTS Barbour

2019年8月20日発売。ワックスコットンを使った複数シルエットのアウターカプセルを展開。