Comme des Garçons
コム デ ギャルソン
概要
キャッチコピー
"美しいより面白い(Interesting over Beautiful)"
概要
前衛と日常を往復する服の実験場
Comme des Garçons(コム デ ギャルソン)は、デザイナー川久保玲が率いる東京発の前衛ファッション・ハウスです。現在はウィメンズ/メンズの本線に加え、COMME des GARÇONS HOMME PLUS、COMME des GARÇONS SHIRT、COMME des GARÇONS COMME des GARÇONS、PLAY、BLACK、CDG、香水部門Comme des Garçons Parfumsなど多層のラインで構成されます。特徴は黒を基調にした構築と解体、歪みや不均衡を意図したシルエット、服の概念そのものへの問い直しです。
一方でHOMMEやSHIRT、PLAY、CDGといったラインは日常に取り入れやすい価格帯とフィットを提供し、実験性と生活の橋渡しを担います。世界各地の旗艦店と小売概念Dover Street Marketを通じて、自社と他ブランドの表現を横断的に発信。コラボレーションや限定カプセルも活発で、スニーカーからアート、フレグランスまで領域を拡張しています。常に“新しさ”を起点に、流行の外側から衣服の可能性を更新し続けるブランドです。
- 黒と解体で輪郭を再編
- 多層ラインと実験的小売
- 服の概念を問い直す創造
バックグラウンド
1969年、川久保玲はフリーのスタイリスト活動を経て東京でComme des Garçonsを始動します。名称はフランソワーズ・アルディの歌詞から取られ、少年のような自由さを象徴しました。1973年に法人化、1975年に南青山に初の直営店を開き、男女を問わない黒のニットやジャケットで支持を拡大します。
1981年、パリで初のショーを発表。穴やほつれ、未完成を思わせる黒のルックは既存の美意識を揺さぶり、「黒の衝撃」と呼ばれる議論を巻き起こしました。以降、1984年にメンズの実験線HOMME PLUS、1988年にビジュアル誌『Six』、1993年にパフューム事業を始動。1997年には“Body Meets Dress, Dress Meets Body”(通称Lumps and Bumps)で身体と衣服の関係を再定義し、服を用いた思考実験を世界に示します。
2002年にはカジュアルラインPLAYを開始、2004年には小売の実験場Dover Street Marketをロンドンで開業。ゲリラストアなど短期出店も試み、2009年には景気低迷期に応答するBLACKを展開しました。社内からは渡辺淳弥、二宮啓、丸龍文人、栗原たおらが独自の線を育て、単なるブランドを越えた創造プラットフォームへと発展します。
2017年、ニューヨークのメトロポリタン美術館で「Rei Kawakubo/Comme des Garçons: Art of the In‑Between」展が開催され、思想と造形の影響力を確証。創設から半世紀を超えた今も“ゼロから考える”姿勢を貫き、前衛性と日常性のあわいで新しい衣服観を更新し続けています。
価格帯
ブランド基本情報
ブランド名 | Comme des Garçons |
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読み方 | コム デ ギャルソン |
国 | 日本 |
設立 | 1969年(56年) |
定番アイテム
Odeur 53
1998年、クリスチャン・アストゥゲヴィエイユ指揮のもと調香師マルティーヌ・パリックスが手掛けた“アンチ・パルファン”。酸素や金属の閃き、風に干した洗濯物など無機物の記憶をクローン化し、53の抽象的要素で香りを構築。ジェンダーや自然信仰に縛られない前衛性でCDG香水の方向性を決定づけた。
- 無機物の匂いを“クローン”した抽象調
- 53要素で空気の質感を描くコンポジション
- 反香水的コンセプトでジェンダーレスを先導
CDG 2
1999年、マーク・バクストン作。“光と影/反射と不透明”をテーマに、墨とインセンスのコントラストを核に組み立てた名作。鏡面のペブル型ボトルと躍る「2」のグラフィックも象徴的で、ユニセックス香水の定番として長く支持される。
- 墨×インセンスのコントラスト
- 鏡面のペブル型ボトルと大胆な「2」ロゴ
- 光と影の両義性をテーマにした構成
Series 3 Incense
2002年発表のシリーズ。アヴィニョン、京都、ザゴルスク、ジャイサルメール、ワルザザートの5作で宗教的・精神的中枢を巡る旅を描き、ニッチ香水における“インセンス”の座標を更新。祈りと瞑想のムードを日常に持ち込んだ金字塔。
- 5都市5宗教を香りで翻訳(Avignon等)
- 透明感あるインセンスを日常香へ定着
- 香水シリーズという語り口を確立
Wonderwood
2010年、調香師アントワーヌ・リーによる“Wood gone mad”。サンダルウッドやシダー、ベチバー、ウードに合成ウッド分子を重ね、木の多幸感を過剰に表現。CDGらしい知的でモダンなウッディの代表作として定番化。
- ウッドノートの“過剰投与”
- カシュメランやジャヴァノール等の合成材
- 清潔感のあるモダン・ウッディの代表
Super Fluo
CDG Walletの定番シリーズ。鮮烈なネオン配色のカラーブロックとラウンドジップ構造で視認性と実用性を両立。Dover Street Marketなどで常時展開され、日常使いの“CDGらしさ”を体現するアクセサリーとして長く愛される。
- ネオンのツートン配色カラーブロック
- ラウンドジップ×コンパクト設計
- スペイン製レザーの実用性と耐久性
Polka Dots
CDG Walletを象徴する水玉モチーフのシリーズ。黒×白などの強いコントラストと端正なレザー使いで、ミニマルながら一目でCDGとわかる存在感。季節を越えて繰り返し生産されるロングセラー。
- ドットのプリント/エンボスレザー
- モノクロ中心の強いコントラスト
- シンプルな刻印とラウンドジップの定番形