ジョン・レイ
John Ray
イギリス
スコットランド出身のメンズウェアデザイナー兼クリエイティブ・ディレクター。ロンドン拠点で英国的テーラリングを現代化
ジョン・レイについて
スコットランド出身のメンズウェアデザイナー兼クリエイティブ・ディレクター。ロンドンを拠点に英国的なテーラリングの伝統を現代的に再解釈する仕事を行う。セントラル・セント・マーチンズでメンズウェアを学び、ロイヤル・カレッジ・オブ・アートで修士号を取得した後、Katharine Hamnettでアシスタントを経てメンズウェアの責任者を務め、1996年にグッチへ移籍。トム・フォードの下で約10年にわたりメンズ部門の要職を務め、2001年にメンズウェアVP、2004年にメンズのクリエイティブ・ディレクターに就任した。長期の休職を経てアルフレッド・ダンヒルのクリエイティブ・ディレクターとしてブランドの英国性を軸にしたモダンなテーラリングを提示し、ビジュアル刷新やフレグランス立ち上げにも関与。2017年にはThomas Pink(Pink Shirtmaker London)のクリエイティブ・ディレクターに就任し、プロダクトと店舗体験の再編に携わった。
キャリアタイムライン
ジョン・レイとブランドとの関わりを年単位で横に並べています。
左右にスクロールして確認
ブランド / 役職
92
1992
93
1993
94
1994
95
1995
96
1996
97
1997
98
1998
99
1999
00
2000
01
2001
02
2002
03
2003
04
2004
05
2005
06
2006
07
2007
08
2008
09
2009
10
2010
11
2011
12
2012
13
2013
14
2014
15
2015
16
2016
17
2017
18
2018
19
2019
経歴
セントラル・セント・マーチンズでメンズウェアを学び、その後ロイヤル・カレッジ・オブ・アートで修士号を取得。卒業後すぐにKatharine Hamnettに入り、メンズウェアの責任者を務めてキャリアを本格化させた。
セントラル・セント・マーチンズとロイヤル・カレッジ・オブ・アートで学んだ後、1992年にKatharine Hamnettに入社しアシスタントからメンズウェア責任者へ昇格。1996年にグッチへ移り、トム・フォード体制下で約10年にわたりメンズラインの主要ポジションを務め、2001年にメンズウェアVP、2004年にメンズのクリエイティブ・ディレクターに就任した。グッチ退任後は約6〜8年の休職期間を経てアルフレッド・ダンヒルに復帰し(2013年頃〜2016年)、AW14を皮切りにアニ―・リーボヴィッツ撮影のキャンペーンやフレグランス『Icon』の立ち上げなどを主導してブランドのビジュアルと製品ラインを再構築した。2016年にダンヒルを退任後、2017年にThomas Pink(Pink Shirtmaker London)のクリエイティブ・ディレクターに就任し、商品設計と店舗体験の見直しによるブランド再編を指揮した。通底するテーマは英国的テーラリングのコードを守りつつ、ゆったりとしたシルエットやボリューム感を取り入れることで日常性とエレガンスを両立させること。
Thomas Pinkとの関わり
2017 - 2019
クリエイティブ・ディレクター
クリエイティブ・ディレクターとして2017年6月に就任し、ブランドのアイデンティティ刷新と商品設計を統括した。就任時点ではトーマス・ピンクの豊かなシャツメイキングの遺産を受け継ぎつつ、その歴史的文脈を現代の生活様式に合わせて再編する役割を担った。 デザイン面ではアーカイヴに根ざしたヴィンテージ風の柄物や洗い加工による“育てる”表情を取り入れつつ、着丈や襟まわりのプロポーションを現代化して汎用性を高めた。2018年秋冬コレクションを起点に、トータルルックとしてのシャツの価値を再提示し、伝統的な縫製とファッション性の両立を軸に据えた。さらにブランド名の短縮/リブランディング(Pink Shirtmaker化)に伴うロゴ、店舗、ビジュアルの刷新に中核的に関与し、ブランドイメージの再定義を進めた。 商品開発と小売体験の接続も担当領域とし、より短めの“Smart Shirt”の導入や襟の縫い付けなど仕様面の見直し、ガセットなどのディテール強化、ビスポーク工房の立ち上げにより製造と顧客体験の結びつけを推進した。パッケージングや店舗内の実務的な刷新(プラスチック削減や再利用を意識した梱包など)までクリエイティブ全体を監修し、広告/キャンペーンを含むブランド表現の一貫性を高めた。
在任期
2017年6月にクリエイティブ・ディレクターに就任し、2018年秋冬コレクションから本格的にデザイン体制を刷新した。在任中は2018年秋以降のリブランディング期(Pink Shirtmakerへの移行)と2019年のキャンペーン展開に深く関与し、商品仕様・店舗・パッケージの横断的な改定を進めた。一方で資料に差異があり、複数の報道は退任時期を2020年2月としているため、終了時期には幅がある点に留意する。
影響
クリエイティブ面での主な影響は、シャツを中心とした製品軸の“伝統に基づくモダナイズ”への再定位と、仕様見直しによる製品品質の強化、そして顧客接点の再構築にある。具体的には縫製仕様(襟の縫い付け、堅牢なシーム、ガセット)や“Smart Shirt”の導入、ロンドンのビスポーク工房設置、店舗・パッケージの刷新、女性向けシャツの導入などを通じてブランドの職人性と現代的な利便性を同時に打ち出した。ただしその後の市況変化とパンデミック下での営業環境悪化が商業的な継続には影響を与えた点がある。
dunhillとの関わり
2012 - 2016
クリエイティブ・ディレクター
dunhillにおけるクリエイティブ・ディレクターとして2012年に就任し、メンズウェアのデザイン方針とブランドビジュアルの統括を担当した立場。ブランドが有するアーカイブやアルフレッド・ダンヒル由来の“Motorities”といった遺産を継承しつつ、英国的なサルトリアリティを基盤に機能性と現代性を組み合わせて再解釈を行った。デザイン面では伝統的なテーラリングを出発点に、着用性や実用性を高めたアウターやアクセサリーを導入し、若年層も視野に入れた軽やかなエッジを加えたコレクション構成へとシフトさせた。ビジュアル面では自身のデビューコレクションとなる2014年秋冬でアンニー・リーボヴィッツを起用した大規模なキャンペーンを展開し、広告表現とブランドイメージの更新を推進したほか、2015年にはフレグランス「Icon」の立ち上げに関与して商品領域の拡張を図った。在任期間を通じてヘリテージと機能性の接点を明確にする方向でブランドの表現とプロダクトレンジを再編し、最終的にAW16‑17が自身の最後のコレクションとなり2016年初に離任した。
在任期
2012年にクリエイティブ・ディレクターに就任し、約3年にわたりブランドの再編と表現刷新を担当した。在任中の主要なマイルストーンは、2014年秋冬のデビューコレクションとそれを支えるアンニー・リーボヴィッツ起用のキャンペーン、2015年のフレグランス「Icon」立ち上げ。AW16‑17を最後に2016年初に離任し、当面は後任不在の期間を経て2017年に後任が発表された。
影響
デザインとマーケティングの両面でブランド表現を現代化した点が主な影響。キャンペーン演出や新規プロダクト(フレグランスの導入)を通じて、ヘリテージを起点にした“機能的で着やすいラグジュアリー”という方向性を明確化した。公開された資料では売上等の数値的効果の詳細は限定的なため、影響は主に戦略的・表現面に限定される。
GUCCIとの関わり
2004 - 2006
クリエイティブ・ディレクター
Gucciにおけるメンズウェアのクリエイティブ・ディレクターとして、トム・フォード退任に伴う組織再編の一環で2004年3月にメンズ部門の責任者に昇格し、メンズプレタポルテおよびランウェイ向けコレクションの制作統括を担った。 入社は1996年にメンズウェアのコンサルタントとして始まり、2001年にメンズ部門副社長に就任した経歴を持ち、フォードの下で社内デザインチームに組み込まれて成長した内部人材として位置づけられた。就任後は社内体制の連続性を重視し、シーズンごとのメンズコレクションの制作運営や商品化プロセスの統括を中核業務とした。 トム・フォード退任後はアルessandra Facchinetti(ウィメンズ)やフリーダ・ジャンニーニ(アクセサリー)と並ぶ社内3人体制で役割を分担する方針のもと、いわゆる「スター・デザイナー」依存からブランド主導へ移行する過渡期のデザイン実務を担い、メンズラインの継続的な商品供給とコレクションの安定化に寄与した立場にあった。 在任期間については資料に若干の差異があるが、一般には2004年3月の就任から2006年初頭まで数シーズンにわたってメンズコレクションを監督し、2006年初頭の組織再編でメンズの責務はフリーダ・ジャンニーニへ集約された流れとなる。
在任期
2004年3月のクリエイティブ部門再編でメンズのクリエイティブ・ディレクターに昇格し、以後数シーズンにわたりメンズプレタポルテの制作統括を担当した。社内出身の人材としてフォード期のデザイン体制と業務連携を受け継ぎつつ、ブランド主導の分担体制下で実務的なコレクション遂行を担った点が在任の特徴となる。2006年初頭にメンズ責務を離れる形で退任し、クリエイティブの統合が進んだ。
影響
在任期間はブランドのクリエイティブ体制をスター・デザイナー依存から社内チーム運営へ移行させる過渡期に相当し、メンズコレクションの継続供給と商業ラインの安定化に寄与した役割として評価される。大胆なスタイル転換というよりは、既存のブランドコードを維持しながら実務的にコレクション運営を継続した点が主要な影響となる。
Katharine Hamnettとの関わり
1992 - 1996
デザイナー
メンズウェアのデザイナー(メンズライン責任者)として、1992年にロイヤル・カレッジ・オブ・アート修了後にキャサリン・ハムネットのクリエイティブチームへ参加し、1996年の移籍までメンズコレクションの企画・制作・運営を主に担当。在任当初はアシスタントとしてデザイン実務に携わり、その後メンズウェアのヘッドに昇格してコレクションのデザイン監督、ルックの統一、テーラリングやフィット指示、パターンとサンプルの制作監修、ショーやルックブックの構成といった制作面の責任を担った。キャサリン・ハムネットは政治的メッセージ入りTシャツやオーガニック素材への取り組みで知られるが、レイはそのクリエイティブ体制の下で男性向けプロダクトの実務を整備し、メンズラインを継続的に発表するための制作基盤を支えた点が役割の中心。1996年にグッチへ移りブランドでの担当を終え、以降のラグジュアリーブランドでのキャリアにつながった。
在任期
1992年にロイヤル・カレッジ・オブ・アート修了後、キャサリン・ハムネットのクリエイティブチームにアシスタントとして加入し、数年でメンズウェアの責任者に昇格。1992年から1996年にかけて同ブランドのメンズコレクション制作を担当し、1996年のグッチ移籍で在任を終了。入社はキャリア初期の実務習得期、退任はラグジュアリーハウスへ転じる転機。
影響
在任中はメンズウェアのデザイン監督としてコレクション制作の実務体制とルックの統一を担い、ブランドの男性向けラインの継続発表を支える役割を果たしたことが示される。ただし在任期間中における個別コレクションの具体的なデザイン改廃や売上などの商業的影響を示す公開資料は限られるため、影響の全容は限定的にしか特定できない。
関連ブランド
関わったグループ
関連する人物
Thomas Pink
2021 - 継続中または終了年不明
2014 - 2017
2014 - 2016
1984 - 1999
1984 - 1999
1984 - 1999
dunhill
2023 - 継続中または終了年不明
2017 - 2022
2008 - 2011
1893 - 1929