マイケル・コースは、創業者
セリーヌ・ヴィピアナの時代からLVMH傘下の国際的なラグジュアリーメゾンへ移行する過程にあった
CELINEで、1997年から2004年まで婦人プレタポルテを軸にクリエイティブ・ディレクターを務めた人物。
ペギー・ユイン・キンらが進めたアクセサリーやシーズンコレクションの近代化を引き継ぎ、CELINEを
フランスの革製品ブランドから、世界市場を意識した総合的な女性向けファッションブランドへ押し広げた。在任中は、ヴィピアナ時代から続く実用性、トレンチコート、レザーグッズ、控えめなフレンチ・
ラグジュアリーを基盤に、カシミヤ、キャメル、テーラリング、シンプルなドレス、
リゾートウェアを組み合わせ、より軽快で現代的なアメリカン・スポーツウェアへ再編集。身体を過度に拘束しないシルエットと高品質な素材を重視し、都市生活と移動を前提とする国際的な女性像を提示した。バッグ、靴、アクセサリーを服と一体化した商品構成へ整え、ハリウッドや
レッドカーペットとの接点も広げたことで、CELINEの知名度と商業的な存在感を高めた。創業者の生活志向を完全に断ち切るのではなく、ジェットセット、リゾート、映画、セレブリティと結び付けながら、ブランドを大規模な国際市場に適応させた点に特徴がある。2004年の退任後は、自身のブランド事業に集中し、CELINEには商業的に整理されたフレンチ・スポーツウェアと国際的なラグジュアリーブランドとしての基盤を残した