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フィービー・フィロ

Phoebe Philo

イギリス人ファッションデザイナー。クロエとCELINEを経て、自身のブランドを運営するクリエイティブ・ディレクター

国籍
イギリス
生没年
1973 - 現在
更新

最終更新日: 2026.07.31

フィービー・フィロについて

フィービー・フィロは、パリ生まれ、ロンドンを拠点に活動してきたイギリス人ファッションデザイナー、クリエイティブ・ディレクター。クロエとCELINEで女性の生活に根差したワードローブを構築し、2010年代のラグジュアリーファッションを代表する存在となった。身体を過度に拘束しないシルエット、抑制された色調、上質な素材、実用性と知的な官能性を組み合わせた服作りを特徴とし、バッグや靴、ジュエリーまで含めた総合的な商品設計で強いブランド像を形成。CELINEではLuggage、Trapeze、Trio、Box、Belt、Cabas、Phantomなどのバッグを生み出し、ロゴや過剰な広告に頼らず、プロダクトそのものによってブランド価値を高めた。成熟した女性の仕事、移動、日常、社交に対応する服を提案し、女性デザイナーが女性の身体と生活を主役に据えるデザインの象徴として広く評価される。2017年末にCELINEを退任した後は表舞台から距離を置き、2023年に自身の名を冠したブランドを始動。素材、プロポーション、限定性を重視する姿勢を継続する人物

キャリアタイムライン

フィービー・フィロとブランドとの関わりを年単位で横に並べています。

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Chloé クリエイティブ・ディレクター 2001 - 2006
CELINE クリエイティブ・ディレクター 2008.10 - 2017.12
Phoebe Philo デザイナー 2023 - 現在(推定)

経歴

ロンドンのCentral Saint Martinsでファッションを学び、1996年に卒業。専門教育を通じて培った服作りの基礎をもとに、女性服とアクセサリーのデザイン領域でキャリアを形成
Central Saint Martins卒業後、クロエに入り、ステラ・マッカートニーのデザインアシスタントを務めた。2001年にはステラ・マッカートニーの後任としてクロエのクリエイティブ・ディレクターに就任し、若々しく女性的なラグジュアリーを再構築。Paddingtonバッグなどを含む商品群によって、クロエを国際的に注目されるブランドへ押し上げた。2008年、LVMHからCELINEのクリエイティブ・ディレクターに任命され、ロンドンを拠点にパリのデザインスタジオを率いた。約10年間の在任中、女性の生活と身体に根差したワードローブを軸に、無駄を削ぎ落としたシルエット、落ち着いた色調、上質な素材、実用的なバッグや靴を統合。Luggage、Trapeze、Trio、Box、Belt、Cabas、Phantomなどのアイコンバッグを生み出し、CELINEを2010年代を代表するラグジュアリーブランドへ再定義した。ロゴや大規模な広告露出に依存せず、商品、店舗、ショー、キャスティングを一体化した静かなブランド戦略も特徴。2017年12月にCELINE退任を発表し、2017年末から2018年初頭に実務を終えた。数年間の活動休止を経て、2023年に自身の名を冠したブランドを始動し、限定性のある展開と素材・構築・プロポーションを重視した服やアクセサリーを発表している

Phoebe Philoとの関わり

2023 - 現在
デザイナー
フィービー・フィロが自ら設立し、デザインとブランド全体の方向性を担う独立ブランド。CELINEでの約10年間を経て、2023年にLVMHの支援を受けながら本格始動し、既存メゾンの後任デザイナーとしてではなく、自身の名前と判断で運営する新たなラグジュアリーブランドとして位置づけられる。ブランドでは、フィロがCELINE期に築いた、女性の生活と身体を起点にしたワードローブ、実用性と知的な官能性を備えたプロポーション、素材の質感を重視する姿勢を継承。そのうえで、過度なロゴ表現や大規模な広告展開に依存せず、少数精鋭の商品構成と限定的なコミュニケーションによって、服やバッグそのものをブランドの中心に据える構造へ再編集している。CELINE時代のように既存ブランドの歴史を読み替えるのではなく、デザイナー自身の審美眼、制作速度、商品数、販売方法までを一体化させる点が特徴。静かなミニマリズム、抑制されたブランド表現、素材とプロポーションによる価値形成を、より個人的かつ独立性の高い形で展開する場となる。フィービー・フィロにとっては、過去の代表的な美学を単純に再現するブランドではなく、CELINEで確立した考え方を自身の裁量のもとで継続・更新するための基盤

在任期

2023年に本格始動。CELINEを2017年末に退任してから数年間、ファッションの表舞台から距離を置いた後、LVMHの支援を受けて自身の名を冠したブランドを立ち上げた。既存メゾンのクリエイティブ・ディレクターとして就任したのではなく、創業者と中心デザイナーを兼ねる体制で、商品開発、ブランド表現、コミュニケーションのあり方を自ら統括する移行期。開始年以降、継続的に展開している

影響

フィービー・フィロの個人ブランドは、CELINE期に形成した女性中心のワードローブ、素材とプロポーションを重視する設計、ロゴや大量露出に頼らないブランド運営を、より小規模で独立した形に移した点に特徴がある。ブランドの価値をデザイナー個人の知名度だけでなく、商品の完成度、限定性、静かな発信、着用時の実用性によって構築する方向を明確にし、フィロ自身の美学を外部メゾンの歴史や組織的制約から切り離して展開する基盤となった

CELINEとの関わり

2008.10 - 2017.12
クリエイティブ・ディレクター
2008年10月頃、イヴァナ・オマジッチの後任としてCELINEのクリエイティブ・ディレクターに就任し、2017年12月の退任発表まで約10年間ブランド全体の方向性を担った。創業者セリーヌ・ヴィピアナ以来の実用性、レザーグッズ、日常に根ざしたフレンチ・ラグジュアリーを受け継ぎながら、マイケル・コース期の国際的な商品力やバッグの重要性も再編集し、女性の身体と生活を中心に据えた新しいワードローブへと転換した。無駄を削ぎ落としたライン、落ち着いた色調、身体を締め付けすぎないシルエット、構築的でありながら実用的なコートやジャケット、パンツ、ニット、ドレスを通じて、働く女性や都市生活に対応する知的で自立した女性像を提示。服だけでなく、Luggage、Trapeze、Trio、Box、Belt、Cabas、Phantomなどのバッグを相次いで打ち出し、バッグを単なるアクセサリーからブランド認知と事業成長を支える中核カテゴリーへ引き上げた。大きなロゴや過剰な広告表現に依存せず、素材、プロポーション、仕立て、スタイリング、店舗、ショー、キャスティングを一体化した静かなブランド表現を構築した点も特徴。ジョーン・ディディオンの起用に象徴されるように、若さや装飾性だけに依存しない知性と個性をブランド価値へ組み込み、2010年代のモダン・ミニマリズムとクワイエット・ラグジュアリーを代表するCELINE像を確立した。

在任期

2008年、クロエでブランド再生を経験したフィービー・フィロが、短期間にデザイナー交代が続いていたCELINEの再構築を担うため就任。ロンドンを拠点にパリのデザインスタジオを率い、2009年から2010年にかけて最初のコレクションを発表した。2017年12月に退任が公表され、実務上の在籍は2017年末から2018年初頭にかけて終了。後任にはヘディ・スリマンが就いた。

影響

フィロ在任期のCELINEは、女性の生活に根ざした実用性と知的なミニマリズムを、ラグジュアリー市場で強いブランド価値へ転換した時代。LuggageやTrapezeなどのバッグをアイコン化し、ロゴに頼らず商品そのものとデザイナーの美学で認知を拡大した。成熟した女性像、控えめだが強いシルエット、素材とプロポーションを重視する姿勢は、2010年代のクワイエット・ラグジュアリーや後続ブランドの表現に広く影響を与え、「Old Céline」と呼ばれる固有の美学を形成した。

Chloéとの関わり

2001 - 2006
クリエイティブ・ディレクター
フィービー・フィロは、ステラ・マッカートニーの後任として2001年にChloéのクリエイティブ・ディレクターに就任し、2006年までブランドのレディ・トゥ・ウェアとアクセサリーの方向性を担った。ステラ・マッカートニーの時代に形成された若々しく女性的な魅力を引き継ぎながら、フィロ自身の感覚によって、より成熟した現代的なラグジュアリーへと再編集した時期にあたる。Chloéでは、身体を意識したフェミニンなシルエット、軽やかさのある服、日常に取り入れやすい洗練を組み合わせ、ロマンティックな女性像を単なる装飾性ではなく、都会的なワードローブとして提示した。服だけでなくバッグや革小物にも強い存在感を与え、Paddingtonバッグなどを含むアクセサリーの展開を通じて、ブランドの認知と商品力を拡大した点も重要な役割となる。フィロのChloéは、若い女性に向けた華やかさと、素材・フォルム・実用性を重視するデザインを両立させ、ブランドを国際的に注目されるラグジュアリーハウスへ押し上げた。後のCELINEで展開される、女性の生活を中心に据えた服作りやバッグをブランドの核に据える姿勢の原点としても位置づけられる。

在任期

2001年、ステラ・マッカートニーの後任としてChloéのクリエイティブ・ディレクターに就任。約5年間にわたり、レディ・トゥ・ウェア、バッグ、革小物を含むブランドの主要なデザイン領域を統括した。若々しくフェミニンChloéの基盤を受け継ぎつつ、国際的なラグジュアリーブランドとしての商品構成と存在感を整えた時期。2006年に退任し、後にCELINEへ移る転換点となった。

影響

フィロ在任期のChloéは、女性的でロマンティックな服と、日常性を備えたラグジュアリーを結び付けるブランドとして存在感を高めた。Paddingtonバッグなどのアクセサリーを通じて、バッグをブランド認知と商業的成長の中心に据えたことも大きな変化となる。若々しさ、官能性、実用性を組み合わせた方向性は、フィロ独自のデザイン言語を確立し、後のCELINEでのブランド再構築にもつながる基盤となった。