アレッサンドロ・ミケーレ

Alessandro Michele

イタリア・ローマを拠点に活動するファッションデザイナー/VALENTINOクリエイティブ・ディレクター。GUCCI元クリエイティブ・ディレクター

アレッサンドロ・ミケーレについて

アレッサンドロ・ミケーレは、イタリア・ローマを拠点に活動するファッションデザイナーで、VALENTINOのクリエイティブ・ディレクターを務める人物。GUCCIでは2015年にクリエイティブ・ディレクターへ就任し、2022年までブランド全体の創造性とイメージを統括した。歴史的なアーカイブ、ルネサンスやヴィクトリアンの装飾、ヴィンテージ、ポップカルチャーを横断し、性別や時代、階層の境界を溶かすマキシマリズムを展開。ロマンティックで知的、非同調的なスタイルは、従来のラグジュアリーにあった洗練と権威のコードを、アンドロジナスなシルエットや過剰な装飾、日常的なアイテムの再編集によって更新した。Dionysus、GG Marmont、Aceスニーカー、ファーライニングのローファーなどを通じて、アクセサリーとシューズを現代的なアイコンへ押し上げ、2017年からはメンズとウィメンズを統合したショーを推進。GUCCIを単なる商品ブランドではなく、物語・引用・映像・コラボレーションが交差する文化的な世界観として再構築した点に特徴がある。2024年からはVALENTINOで、同メゾンの豊かなアーカイブと自身の折衷的な美意識を接続する新たな章を展開。

キャリアタイムライン

アレッサンドロ・ミケーレとブランドとの関わりを年単位で横に並べています。

左右にスクロールして確認

ブランド / 役職
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
Richard Ginori クリエイティブ・ディレクター 2014.09 - 2015
GUCCI クリエイティブ・ディレクター 2015.01.21 - 2022.11.23
VALENTINO クリエイティブ・ディレクター 2024.04.02 - 現在(推定)

経歴

ローマのAccademia di Costume e di Modaでコスチュームとモードを学び、当初は舞台美術家や衣装デザイナーを志向。舞台表現や衣装文化に接続する学習背景を持つ人物
GUCCIではアクセサリー領域からキャリアを築き、ブランドのプロダクトとイメージに関わる中核人材として台頭。2015年、クリエイティブ・ディレクターに就任すると、Dionysus、GG Marmont、Aceスニーカー、ファーライニングのローファーなどを生み出し、既存のロゴやアーカイブを新しい文脈で再編集した。ルネサンス、ヴィクトリアン、ヴィンテージ、ポップカルチャーを同列に扱う折衷的な表現によって、GUCCIをマキシマリズムとジェンダー横断性の象徴へ転換。2017年からはメンズとウィメンズのショーを統合し、コレクション全体を一つの物語として提示した。GUCCIでの活動はブランドの文化的存在感と事業成長を大きく押し上げ、後半には成長鈍化も指摘されたが、2010年代を代表するラグジュアリー再生の一例として位置づけられる。2022年のGUCCI退任後、2024年4月にVALENTINOのクリエイティブ・ディレクターへ就任し、ローマのクチュールメゾンに蓄積されたアーカイブと自身のロマンティックで知的な美意識を結び付ける活動を続ける

VALENTINOとの関わり

2024.04.02 - 現在
クリエイティブ・ディレクター
2024年4月2日、ピエールパオロ・ピッチョーリの退任後にヴァレンティノのクリエイティブ・ディレクターへ就任。メンズ、ウィメンズ、アクセサリー、オートクチュールを横断して、メゾンの次の創造的な方向を担う立場となった。就任時に託された役割は、ヴァレンティノ・ガラヴァーニ以来のクチュールの伝統、ローマに根づく文化性、メゾン固有のエレガンスを保存することにとどまらず、それらを現代の感覚で再編集することにある。 まず『Avant Les Débuts』では、過去と現在の共存を軸に、アーカイブのコードを大量のルックへ展開し、ヴァレンティノの歴史を固定された記号ではなく、組み替え可能な創作資産として提示。その後のプレタポルテとオートクチュールでは、歴史的なシルエット、ヴィンテージの装飾、ロマンティックなドレープ、70年代的なプロポーション、ジェンダーをまたぐスタイリングを交差させ、メゾンの洗練に自身の折衷的で装飾的な語彙を接続した。 その再解釈は、ヴァレンティノの過去を忠実に再現する方向ではなく、クチュールの華やかさを日常のワードローブへ引き寄せながら、現代の生活に適した新しいエレガンスを探るもの。2026年のコレクションでは、創業者の遺産と自身の異質な感覚の緊張を『Interference』として表現し、ローマの歴史的空間やヴァレンティノの赤、アーカイブの装飾性を、現在進行形のブランド像へ組み直している。

在任期

2024年4月2日、長期にわたりメゾンを率いたピエールパオロ・ピッチョーリから創造的責任を引き継ぎ、ヴァレンティノの全カテゴリーを統括する体制へ移行。就任直後から『Avant Les Débuts』、2025年春夏プレタポルテ、同年のオートクチュールへと新たな方向を段階的に提示し、2026年もプレタポルテ、クチュール、リゾートの各領域で在任継続。前任期の完成されたロマンティシズムを引き継ぎつつ、アーカイブと自身の歴史的・装飾的な感性を接続する移行期。

影響

ブランドへの主な影響は、ヴァレンティノのクチュール遺産を保存的に扱うのではなく、現代のワードローブと結びつく可変的な美学へ開いた点にある。アーカイブ、ローマの文化的背景、鮮烈な色彩、装飾的なシルエットを、ヴィンテージ感覚や歴史的引用、ジェンダーを越えるスタイリングと組み合わせ、メゾンのエレガンスに不均衡さや個人的な物語性を加えた。2026年には、日常性とクチュールを両立させる『Valentino 2.0』の方向が示され、ブランドの現代化が継続。長期的な商業成果への定着は今後の評価に委ねられる段階。

GUCCIとの関わり

2015.01.21 - 2022.11.23
クリエイティブ・ディレクター
アレッサンドロ・ミケーレは、フリーダ・ジャンニーニ退任後の2015年1月21日にGUCCIのクリエイティブ・ディレクターへ就任し、アクセサリー部門を起点とする知見をブランド全体の再構築へ広げた人物。在任期は、GUCCIが蓄積してきたホースビット、GGモノグラム、フローラ、ローファー、バッグといった記号を単純に復刻するのではなく、歴史的な服飾、ルネサンスやヴィクトリアンの引用、ヴィンテージ、ポップカルチャー、アンドロジニーを混在させる編集によって再解釈した時代にあたる。ミケーレは、男女の境界や既存の着用規範を揺さぶるシルエットとスタイリングを提案し、従来のラグジュアリーにあった格式や階級性を、ロマンティックで知的、時に奇想的な表現へ転換。2017年以降はメンズとウィメンズのショーを統合し、服、アクセサリー、映像、空間、コラボレーションを一つの物語として見せる体制を強めた。商品面では、虎頭の留め具を備えたDionysus、70年代のベルトバックルに由来するGG Marmont、Aceスニーカー、ファーをあしらったローファーなどを新たなアイコンとして定着させ、アーカイブと現代的な消費文化を接続。ブランドのコードを守るよりも、異なる時代や文化を重ね合わせることでGUCCIの意味そのものを拡張し、ファッションだけでなくポップカルチャーやデジタル上の可視性にも強く結びつくブランド像を形成した。2022年11月23日の退任まで、GUCCIを一人のデザイナーの美学が広がる総合的な世界観へ導いた在任期

在任期

2015年1月21日、フリーダ・ジャンニーニの後任としてクリエイティブ・ディレクターに就任。アクセサリー部門出身の人材がブランド全体を率いる体制へ移行し、初期から歴史的コードと個人的な折衷感覚を強く打ち出した。2017年以降はメンズとウィメンズのショーを統合し、GUCCIの表現を単独のコレクション単位から、服・小物・映像・物語を連動させる総合的なクリエイティブ運用へ拡張。2022年11月23日に退任

影響

ミケーレ期のGUCCIは、過去のアイコンを再提示するブランドから、歴史、ジェンダー、ポップカルチャーを混在させるマキシマリストなブランドへ転換。Dionysus、GG Marmont、Aceなどの新たな代表商品を生み、ローファーやモノグラムの意味もアンドロジナスで知的な方向へ更新した。男女統合ショーや多層的なストーリーテリングによってブランドの文化的な発信力を高め、GUCCIをミケーレ固有の世界観と結びつく存在へ押し上げた一方、後半は成長鈍化も指摘され、2022年の退任に至った

Richard Ginoriとの関わり

2014.09 - 2015
クリエイティブ・ディレクター
グッチ傘下に入ったリチャード・ジノリの再始動期に、アレッサンドロ・ミケーレがクリエイティブ・ディレクターとして加わり、歴史ある磁器ブランドの再定位を担った関係。2013年にグッチが買収した後の同ブランドは、長い職人技術とイタリアの装飾文化を継承しながら、現代のラグジュアリー市場に向けた新たな見え方を必要としていた。ミケーレはグッチで培ったアクセサリー、装飾、ヴィンテージ資料への知見を背景に、磁器を単なるテーブルウェアではなく、空間やライフスタイルを構成するクリエイティブな媒体として扱う方向を示した。2015年の「Folklore」では、皿やティーポット、カップなどの磁器製品をルネサンス建築を思わせる構造体に組み込み、ブランドの素材そのものを祝祭的なインスタレーションへと拡張。伝統的な製造技術を保存するだけでなく、アーカイブやイタリア文化を現代的な展示・商品表現へつなぎ直した点に役割の特徴がある。グッチのファッションで進めていた折衷的な美意識を磁器へ直接移植するのではなく、色彩、装飾、物語性を通じてリチャード・ジノリ固有のクラフツマンシップを再編集した短期の兼任期間。

在任期

2014年9月、グッチが2013年6月に買収したリチャード・ジノリのクリエイティブ・ディレクターを追加で兼任。ブランドの再建・再定位が進む移行期にあたり、歴史的な磁器製造の継承と、現代的でより国際的なブランド像への転換をクリエイティブ面から支えた。2015年1月にグッチ本体のクリエイティブ・ディレクターへ就任した後は、両ブランドにまたがる責務の整理が進む過渡期となった。

影響

歴史的な磁器技術を現代の装飾文化やライフスタイル表現へ接続し、リチャード・ジノリの再定位を後押しした。ルネサンス的な造形、アーカイブ性、祝祭的な展示を組み合わせた「Folklore」などを通じ、磁器を商品単体から空間演出や文化的イメージへ広げた点が代表的な変化。ブランド公式の振り返りでも、ミケーレの方向性は伝統的なクラフツマンシップを新しいコレクションへ再編集し、より現代的で限定性の高いブランド像へ向かう契機として位置づけられている。

関わったグループ

所属や関係のあるファッショングループを、関連ブランドとあわせて確認できます。

在任中のコラボレーション

この人物が関わった期間に確認できるブランド間コラボレーションです。

2026.01

VALENTINO VANS

VALENTINO GARAVANI×Vans第2章。Classic Slip-Onをベースに、VLogo Checkerboardやbig dots、Tropical Leavesなどパターンを展開する全6種。

2025.09

VALENTINO VANS

VANSと初のコラボは2025年9月に6型スニーカーを先行発売。2026年1月にはSlip-Onを中心とする第2弾(6型)を追加展開。

2025.09

VALENTINO VANS

VALENTINO GARAVANI×Vansの第1章。AuthenticとAuthentic Checkerboard系スニーカーを軸に、Valentino.com先行からVans.com等へ広域展開。

2022.10

GUCCI Palace Skateboards

Gucci Vault向けに発表(2022/9/14)され、2022/10/21に発売。Double-GとPalace Tri-Fergを重ねたロックアップを軸に、アパレルとアクセサリー中心で展開。

2022.10

GUCCI Palace

PalaceとGUCCIのVault独占コラボ。双方のアイコンロゴによるRTW、バッグ、シューズ等を展開。

2022.09

GUCCI The North Face

The North FaceとGUCCIの第3章。70sのアーカイブデザインに着想し、機材やアクセにも拡大展開。

2022.06

GUCCI adidas

adidasとGUCCIの初回コラボ。RTWやアクセ、Gazelleなどフットウェアを展開、1979年のadidasカタログに着想。

2022.02

GUCCI Charvet

CharvetがGUCCI Vault向けに1920-30年代プリント再編集のネクタイなど限定カプセルを展開。

2022.02

GUCCI Delvaux

老舗バッグブランドDelvauxがGUCCI Vault向けに8点のMini Brillantを制作した限定カプセル。

2022.01

GUCCI The North Face

The North FaceとGUCCIの第2章。130点超でGUCCIアーカイブのプリントや90sリワークを含むコレクション。

2021.11

GUCCI Balenciaga

Gucciとの初コラボ“Hacker Project”は2021年4月発表・11月発売。互いのロゴや代表作を融合したカプセルコレクションを展開。

2021.11

GUCCI Balenciaga

BalenciagaとGUCCIのハッカー・プロジェクト。ロゴやモノグラムを重ねあわせたAriaショーから続く大型コラボ。

2021.10

GUCCI COMME des GARÇONS

GUCCI Vault限定の第3弾コラボ。CDGのトート形状にGUCCIらしいストライプを融合させたバッグを展開。

2021.09

GUCCI Bianca Saunders

GUCCI Vaultのローンチ参加。Bianca Saundersによる限定カプセルやセレクションを展開。

2021.09

GUCCI Boramy Viguier

GUCCI Vaultのローンチ参加。Boramy ViguierがVault向け限定カプセルやセレクションを制作。

2021.09

GUCCI Collina Strada

GUCCI Vaultローンチ期に参加し、限定カプセルを制作。2023年Continuumでも再協業。

2021.09

GUCCI Cormio

GUCCI Vaultローンチ参加。Cormioによるカプセル/セレクションを展開。

2021.09

GUCCI Gui Rosa

GUCCI Vaultローンチ参加。Gui Rosaによるカプセル/セレクション。2023年Vault Altitudeにも参加しクロシェ作品を発表。

2021.09

GUCCI Jordanluca

GUCCI Vault立ち上げブランドの一つで、限定カプセルを制作。

2021.09

GUCCI Rave Review

GUCCI Vault立ち上げ参加ブランドのひとつとしてカプセル展開。後にContinuumでもRTWを制作。

2021.09

GUCCI Rui Zhou

GUCCI Vault立ち上げ参加ブランドの一つで、限定カプセル/セレクションを制作。

2021.09

GUCCI Shanel Campbell

GUCCI Vaultローンチ参加ブランドの一つで、限定カプセルやセレクションを制作。

2021.09

GUCCI Stefan Cooke

GUCCI Vaultローンチ参加ブランドの一つで、限定カプセル/セレクションを制作。

2021.09

GUCCI Yueqi Qi

GUCCI Vaultローンチアップ参加ブランドの一つ。カプセルやセレクションを発表。

2021.09

GUCCI Charles de Vilmorin

GUCCI Vaultのローンチ参加。Charles de Vilmorinがカプセルやセレクションを提供。

2021.09

GUCCI Ahluwalia

GUCCI Vaultの立ち上げ参加。Ahluwaliaによるカプセルやセレクションを展開。

2021.01

GUCCI The North Face

The North FaceとGUCCIの第1章。ダウンやバッグ類、ハイキングブーツ、テント等アウトドア全般をカバー。

2019.08

GUCCI COMME des GARÇONS

COMME des GARÇONSとGUCCIの第2弾コラボ。透明PVC外装やフローラルプリントを用いたコラボトートを発売。

2018.11

GUCCI COMME des GARÇONS

COMME des GARÇONSとGUCCIの第1弾コラボ。CDGのショッパートートにGucciのストライプコードを重ねた限定バッグを展開。