ヴァージル・アブロー
Virgil Abloh
アメリカ合衆国
1980
2021
(享年41歳)
デザイナー・クリエイティブ・ディレクター(Off-White創業者、ルイ・ヴィトン元メンズ・アーティスティック・ディレクター)。
ヴァージル・アブローについて
アメリカ出身のデザイナー/クリエイティブ・ディレクター。ロックフォード(イリノイ)生まれでシカゴを拠点に国際的に活動した。大学で土木工学を学び、イリノイ工科大学で建築の修士号を取得した後、音楽やアート領域で経験を積み、カニエ・ウェストのクリエイティブチームでツアーやアルバムのビジュアル制作に関与した。2012年にPyrex Visionを起ち上げ、2013年にミラノ拠点でOff-Whiteを創設。引用符やジップタイ、斜めのラインを多用する視覚コードと、ストリートカルチャーとハイファッションを接続する手法で注目を集め、ナイキやイケア、ジミー・チューなどとのコラボレーションを実施した。建築的なものづくりの視点とヒップホップのサンプリング的発想を融合させ、既存の記号やプロダクトを再文脈化する手法で知られた。2018年にはルイ・ヴィトンのメンズ・アーティスティック・ディレクターに就任し、2019年にはMuseum of Contemporary Art Chicagoで回顧展『Figures of Speech』が開催された。2021年11月28日、希少な心臓の悪性腫瘍(cardiac angiosarcoma)により41歳で逝去。
キャリアタイムライン
ヴァージル・アブローとブランドとの関わりを年単位で横に並べています。
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ブランド / 役職
13
2013
14
2014
15
2015
16
2016
17
2017
18
2018
19
2019
20
2020
21
2021
経歴
Boylan Catholic High Schoolを経て、University of Wisconsin–Madisonで土木工学の学士号を取得(2002年)。その後、イリノイ工科大学(Illinois Institute of Technology, IIT)で建築学の修士号(Master of Architecture)を取得(2006年)。修士制作ではシカゴの高層建築案をまとめた記録がある。
大学修了後にカニエ・ウェストと関係を築き、2009年にウェストとともにフェンディでのインターンを経験。2010年にウェストのクリエイティブ集団Dondaのクリエイティブ・ディレクターに就任し、ツアー演出やアルバムのヴィジュアル制作に携わった。2012年にPyrex Visionを展開し、2013年にミラノ拠点でOff-Whiteを設立。Off-Whiteは2015年のLVMHプライズのファイナリストに選出され、2017年のナイキとの「The Ten」コラボレーションなどで世界的な注目を集めた。2018年にルイ・ヴィトンのメンズ・アーティスティック・ディレクターに就任し、ブランドのコレクション制作や展覧会企画を並行して進めた。2021年11月28日に希少な心臓の悪性腫瘍のため41歳で逝去。
Louis Vuittonとの関わり
2018 - 2021
アーティスティック・ディレクター
Louis Vuittonにおける立場・在任文脈・担当領域:メンズ・アーティスティック・ディレクターとして就任し、ルイ・ヴィトンのメンズ既製服コレクション全体のクリエイティブ総括を担った。2018年3月に発表され、前任のキム・ジョーンズからメンズラインを引き継ぎつつ、ブランドの旅と職人技という伝統的文脈を保持しながらその表現を再編集した。オフ=ホワイトで培ったストリート由来の美学をラグジュアリーの舞台へ持ち込み、ロゴやテキストの再解釈、コラボレーション志向、アートや音楽との横断的な演出をコレクションとショーに適用した。パリでのデビューショーではインスタレーション的演出や若者文化への参照を活用し、既存のルイ・ヴィトン像に若年層とヒップホップ/ストリートのコードを接続した。また素材や既成概念への実験的アプローチ、限定カプセルや外部アーティストとの共同制作を通じて、ブランドの文化的訴求を拡張した。在任は2018年3月の就任発表から始まり、2021年11月28日に死去するまで続いた。
在任期
就任と移行期の要約:2018年3月にルイ・ヴィトンのメンズ・アーティスティック・ディレクター就任が発表され、キム・ジョーンズの後任としてメンズ既製服のクリエイティブを引き継いだ時期の交代劇の一部を担った。初のメンズコレクションは2018年のパリ・メンズ・ファッションウィークで披露され、以後シーズンごとにブランドの表現を現代的な文化文脈へと再解釈する役割を果たした。在任期間は就任発表の2018年3月から、本人の死去に伴う2021年11月28日まで。
影響
ブランドへの影響の要約:ルイ・ヴィトンのメンズ部門にストリート文化由来の言語を持ち込み、ラグジュアリーと若年カルチャーの接点を明確化した点が最大の変化。ショー演出をパフォーマンス志向に広げ、コラボレーションやアート的介入を常態化させたことでブランドの文化的訴求と話題性を高め、主要メゾンでの黒人デザイナー就任という象徴性が業界の多様性議論に影響を与えた。これらはコレクションの演出・コミュニケーション手法と顧客層の拡張に直結した。
Off-Whiteとの関わり
2013 - 2021
クリエイティブ・ディレクター
Off-Whiteにおける創業者兼クリエイティブ・ディレクター。2013年にミラノでブランドを立ち上げ、ストリートカルチャーの記号性と高級ファッションの職人性を接続する一貫したクリエイティブ・ビジョンを確立した。2012年のPyrex Visionを出自とし、建築的な思考を背景に日常のオブジェクトや既成のロゴを“編集”して意味を転換する手法を採用。引用符で語をラベル化する表現や斜めストライプ/交差する矢印のグラフィック、工業的ジップタイのタグといった反復的な視覚コードを体系化し、製品自体を概念的な言語へと変換した。ランウェイやビジュアル演出を軸に、ナイキのスニーカー再解釈プロジェクト「The Ten」やIKEAの生活用品コレクション「MARKERAD」など異業種コラボレーションを戦略的に展開し、若年層の支持と国際的なプレゼンスを確立した。ブランドのビジュアル、コラボレーション、展示、商品化を横断的に統括してOff-Whiteのクリエイティブ方針を一貫して牽引した。
在任期
2012年の短期プロジェクトPyrex Visionを経て2013年にOff-Whiteを立ち上げ、以後ブランドのクリエイティブ指揮を担当した。2014年にウィメンズラインを導入してパリでのプレゼンスを拡大し、2018年3月にルイ・ヴィトンのメンズ・アーティスティック・ディレクターに就任して同職を兼務する期間もOff-Whiteの統括を継続した。2021年11月28日に逝去するまでブランドの創造面を率いた。
影響
Off-Whiteはヴァージル・アブローの下で、ストリートウェアの記号をラグジュアリーの文法へと組み替えることで業界の価値基準と消費文化に大きな影響を与えた。引用符やジップタイなどの視覚的符号が商品語りの一部となり、ナイキやIKEAとのハイプロファイルな協業や美術館での展示を通じてファッション、デザイン、アートの境界を曖昧にした。若年層を中心にストリート主導の感性を主流化させ、コラボレーション中心のブランド戦略を広く定着させた。
関連ブランド
関わったグループ
在任中のコラボレーション
2021.11
Off-White Jordan Brand
2021年HolidayカプセルでAir Jordan 2 Lowおよびアパレルを同時発売。ウィメンズやAJ5も過去に展開あり。
2018.03
Off-White Timberland
2018年3月、Timberlandとの初コラボでラグジュアリーなベルベット素材の6インチブーツを複数色でリリース。
2018.03
Off-White Chrome Hearts
2018年パリでChrome Heartsと初コラボ。オレンジボディの限定フーディに両者のロゴや“©2018”表記が際立つ。
2018.02
Off-White Jimmy Choo
2018年SS、シューズを中心とした“Off-White c/o Jimmy Choo”コレクションを発表。期間限定ポップアップなどで販売。
2017.11
Off-White Jordan Brand
2017年“The Ten”でAir Jordan 1などと初コラボ。以降、2018年“White”, “UNC”、2020年AJ5、2020年ウィメンズAJ4などを展開。
2017.07
Off-White Warby Parker
Warby Parkerと2017年にアイウェアコラボ。黒アセテートのサングラス3型(Small, Medium, Large)を限定発売。
2016.11
Off-White Levi's Made & Crafted
2016年秋冬スタートのLevi’s Made & Craftedとのコレクション。11シルエットのデニムアイテム等を中心に展開。
2016.04
Off-White Dr. Martens
2016年にDr. Martensと初コラボ。ネイビー基調に赤のディテールが特徴的なブーツをソウル限定ポップアップで展開。
関連する人物
Louis Vuitton
2023 - 継続中または終了年不明
2018 - 2025
2013 - 継続中または終了年不明
2013 - 2018
2007 - 2015
1997 - 2013
1910 - 1970
1892 - 1936
1854 - 1892