Antonio Marrasは、自身の名を冠したブランドにおいて創業者かつ主要デザイナーとしてブランドの創作方針と制作を一貫して牽引してきました。1987年に最初のコレクションを発表し、1996年のローマでのオートクチュール出展、1999年のミラノでの初のプレタポルテ発表を経て、オートクチュール的な手仕事と日常着をつなぐ独自の位置を築きました。アルゲーロのホームスタジオで少量生産のLaboratorioやLimited Seriesを自ら監督し、サルデーニャの職人技や“ligazzio rubio”と呼ばれる赤い糸など土地の民俗性をコレクションの核に据え、テキスタイルや装飾に物語性と美術的な視点を持ち込みました。2003年から2011年には
ケンゾーのアーティスティックディレクターを務めるなど国際的経験を重ねる一方で、自ブランドではメンズやコンテンポラリーライン、アクセサリーの拡充や舞台衣装・美術的プロジェクトとの連動を通じて表現領域を広げてきました。近年は外部資本による大株主化の発表を経て事業体制を強化しつつ、創作の主導権を保ったまま直営店や海外旗艦店の開設などリテール展開を加速させています。